ふたり、溺愛中
第12章 その婚姻届は、間違いだよね?
「……………ぁ…
もうこんな時間だ」
ベッドに転がったまま眠るわけでもなくボーッとしていると、だんだんと部屋の中が暗くなってくるのがわかった。
陽も暮れて、夜になってきたのだ。
「…19時過ぎちゃった。
もうお店始まってるし、悠さんも帰ってこないよね」
よいしょっと身体を起こして軽く髪を直すと、私はもう一度バッグを持ってフラフラと玄関へ向かった。
お店に電話して、今日は行けないって煌さんに伝えようかとも思ったんだけど、ホストクラブにそんな電話かけるのも変な気がするもんね。
でも黙って行かなかったら失礼だし、煌さんも絶対待っててくれてると思うんだ。
今日はいっぱいごちそうになったんだから、約束は守らなきゃ。
「…………」
ドアを押す手に目をやると、ふたりの愛を示すピンクゴールドの指輪が見えた。
…うん、大丈夫。
私が信じなきゃ、悠さんに失礼だよ。
さぁ、今日もお店でお仕事頑張ってるよね。
早く行って、応援してあげよう!