ふたり、溺愛中
第12章 その婚姻届は、間違いだよね?
悠さんが用意してくれたレモンウォーターを、私はそっと口を付けて飲んだ。
「______ふぅ…」
余計な味もなく、冷たくてレモンの爽やかさが、不快感を感じさせていた胃にスゥっと入っていった。
不思議。
悠さんのしてくれる事は、いつでも私に優しいの。
…なのに、悠さんはあの女の人と………
「いやぁ、さすがオーナーですよね。
シャンパンコールの最中でも、目配り気配りを忘れないんだから」
「ぁ…」
そんな私の気持ちや、私と悠さんの関係なんて知るわけもない煌さんは、ふとそう言ってきた。
「目配り気配りって、やっぱりホストさんのお仕事するには、大事な事なんでしょうね」
「もちろんですよ!
それが結果、お客さんに選ばれるホストになるんですから」
「…なるほど」
やたら熱く語ってきた煌さんに、思わず相づちを打ってしまう。
煌さん、きっと仕事熱心な人なんだろうな。
「あ、ほら見て下さい、姫さま。
あそこの、オーナーの隣にいる女性を」
「え?」
言われて煌さんの指差す方を見て、ハッと息を飲んだ。
いろんなお客さんの接待をするのがお仕事のホストさんなんだから、悠さんもいろんなお客さんの所で接待するのはわかるんだけど。
「あの女の人は………」
悠さんの側で一緒にグラスを持っているのは、さっき悠さんに婚姻届を突き付けていた人だったのだ。
「______ふぅ…」
余計な味もなく、冷たくてレモンの爽やかさが、不快感を感じさせていた胃にスゥっと入っていった。
不思議。
悠さんのしてくれる事は、いつでも私に優しいの。
…なのに、悠さんはあの女の人と………
「いやぁ、さすがオーナーですよね。
シャンパンコールの最中でも、目配り気配りを忘れないんだから」
「ぁ…」
そんな私の気持ちや、私と悠さんの関係なんて知るわけもない煌さんは、ふとそう言ってきた。
「目配り気配りって、やっぱりホストさんのお仕事するには、大事な事なんでしょうね」
「もちろんですよ!
それが結果、お客さんに選ばれるホストになるんですから」
「…なるほど」
やたら熱く語ってきた煌さんに、思わず相づちを打ってしまう。
煌さん、きっと仕事熱心な人なんだろうな。
「あ、ほら見て下さい、姫さま。
あそこの、オーナーの隣にいる女性を」
「え?」
言われて煌さんの指差す方を見て、ハッと息を飲んだ。
いろんなお客さんの接待をするのがお仕事のホストさんなんだから、悠さんもいろんなお客さんの所で接待するのはわかるんだけど。
「あの女の人は………」
悠さんの側で一緒にグラスを持っているのは、さっき悠さんに婚姻届を突き付けていた人だったのだ。