ふたり、溺愛中
第12章 その婚姻届は、間違いだよね?
改めてその女の人を見てみた。
私と違ってキレイにお化粧していて、おしゃれな服を着ている。
高級そうなアクセサリーを身にまとい、髪もきちんと手入れしているの。
…私とは、まるで正反対。
悠さんがあの人を選んだのも、わからなくないかもね。
「あの人は、オーナーの極太エースなんですよ」
「極太…エースって?」
「あ、業界用語です。
まぁつまり、めっちゃお金出してくれるお客さんっとか、そんな意味ですよ」
「へぇ…」
ホストクラブでかかるお代は、普通のバーと違って高額みたいなんだけど。
めっちゃお金って、さっきみたいに高いお酒をいっぱいグラスタワーに流したりするんだろうなぁ。
「あのエースは、オーナーがまだオーナーじゃなかった頃からの太客でしてね。
これまでめちゃ高い腕時計から車から、すごいのだとマンションとか貢いだらしいですよ」
「え、車に、マンション!?」
煌さんの言ってる意味がまるでわからないくらい、話の次元が違っていた。
貢ぎ物はわかるけど、マンションって貢げるものなの!?