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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

フッと鼻をくすぐった、お酒のにおい。


リビンクには、帰ってきた悠さんのスーツの上着が、ソファの上にかけてあった。



(お店で着ていた紫色のスーツじゃない。
あれはお仕事用のものなんだね)




鍵やお財布、ベルトなどがテーブルに無造作に置いてある。
お仕事を終えて、疲れて帰ったーって感じがするね。



シャワーから出てきたら、早くお疲れさまって言ってあげたいな。

それよりも、こんな時間に私が起きてたら悠さんもびっくりするかな。




そんな事を思いながら脱いだスーツの上着をハンガーにかけようと手に取ると、ポケットからカサっと音がして何かが落ちた。



「あれ?」


すぐに直しておかなきゃと拾ったのだけど、持った瞬間にハッとした。


内側に折り畳まれているとはいえ、透けて見える感じから、それが何かがすぐにわかったの。





(これ…あの時の…………っ)




シャワーの音は、まだ聞こえてる。

悠さんも、すぐにここに来る事はないよね。





「……………………っ
…………………っ」




ドキン ドキン…


勝手に見ちゃいけないのかもしれないけど、でも…………っ





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