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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

「あああのっ、眠れなくって!
悠さんを待ってたの。おかえりなさい!」



ギュッと胸元を腕で守りながら、辛うじてそう言った私は、もうずっとドキドキビクビクだった。


だけど悠さんは、そんな私の不安には気付いてない様子で、いつもの優しく柔らかい笑みを返してくれたの。




「ふふっ、ありがとう。
でも、もう遅い時間だよ」


「う うん」



ど とうしよう。
悠さんが寝た後、この婚姻届を上着に戻さなきゃ。

…でも、戻したら悠さんは、この女の人と結婚しちゃうの…?





「ちょうど僕もシャワーからあがったし、じゃあこのまま、一緒に寝ようか」


「ひゃあ」



急にふわりと身体が浮いたかと思うと、私は悠さんにお姫さま抱っこされていた。

シャワー後のソープの良い香りが、私にも包まれていったの。






「お 重いよぉ///」


「なに言ってるの。
お姫様を抱っこするのは、王子の役目だよ」




お姫さま…


ホストさんは、お客さんの事を"姫さま"って呼ぶんだよね。


悠さん。
私も、他のお客さんとおんなじなのかな…。







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