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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

「どう して…?
どうして、嘘をつくの?」



本当の事を言ってもらっても、もちろん結末は変わらないと思うの。

でも嘘をつくってのは、相手を信用してないって事だよね。



今が悲しい気持ちなのか惨めな気持ちなのか、自分でもわからないけど、どちらにしても涙は止まらない。





「優、僕は嘘なんてついていないよ。
彼女は…」

「嘘だよ!
だって私、見ちゃったもん。
お店の近くの駐車場で、悠さんと女の人が話してるところを!」



「…………………………っ」





悠さんの顔色が変わったのが、見てわかった。



まさか私が、あの場にいたなんて思わないよね。

悠さんの事は信じてたけど、そんな顔されるって事は、やっぱりそういう事なんだからぁ!






「……………………」


「……………………」




お互いの沈黙が、今度は辛くてたまらない。



お見合いした時から、わかってたもん。

悠さんみたいな、かっこよくてお金持ちな社長さんが、私みたいな童顔で世間知らずな田舎娘と結婚してくれたなんてね。

その方が、おかしかったのよ。






「…………………………っく…」




だから…大丈夫だもん。

悠さんみたいな素敵な男の人と、少しでも一緒にいられただけで、私みたいな人間には十分幸せ_____…





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