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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

「ホストクラブという所はね、お酒を飲む為に来るところじゃないんだ。
お酒はその媒介としているだけで、本当は心を満たされたくて来るんだよ」



「…………………」



初めて見る表情の悠さんに、ドキリとした。

いつも柔らかい笑みを向けてくれるんだけど、今だけは違うの。




「女性というのは、心も身体も強い生き物だ。男には太刀打ちできない。
けれども、そんな女性を癒してあげれるのもまた、男なんだよね」



「…ん…………」



言ってる意味が、わからなくもない。
そう言われたら、そんな気がするもの。




「ストレス社会の世で、心の疲れた女性たちを癒してあげたい。夢を見せてあげたい。それが、ホストクラブなんだ。
僕の店に来た女性たちには、心を満たして帰らせてあげたいんだよ。もちろん、お酒も美味しくね」




「ぁ……」



煌さんが、言ってた。

悠さんのお店は、"美味しく、楽しく、気持ちよく"がモットーなんだって。

それを聞いて、私も改めて悠さんを見直したんだっけ。





「…でもね。中には、現実に帰れないまま夢を見続けている女性もいるんだよ。
例えば、この彼女のようにね」




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