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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

「…それに、彼女が本気になっているのは、僕であって僕ではないからね」



「………え?」




最後に悠さんが小声で言った言葉は、よくわからなかった。

悠さんであって…悠さんではない?





「…まぁ何にしても、いくら婚姻届を突き付けようが、僕はもう優と結婚しちゃってるからね。
彼女がどんな手を使っても、僕を手に入れる事はできないさ」



「___________…っ」




…いま、嫌な事を考えちゃった。




「あの、悠さん。
もしかして、私と結婚したのは……」




お金持ちで超絶イケメンな社長さんが、お見合いしなきゃいけない理由なんて、わからなかった。

でも…!




「私と結婚したのは、お客さんに求婚されても婚姻関係を結べないようにする為………?」




だって、私なんて家に置いとけば、後は自由に仕事だってできるだろうし。
お客さんに、のびのびと夢を見せてあげられるから…。





「あぁ…そうだね。
初めは、そのつもりだったよ」



「………………っっ!!」





グサリと胸に突き刺さる、冷たい言葉。


じゃあ、悠さんからすれば、誰でも良かったって事!?



そんなぁ………………っ




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