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ふたり、溺愛中

第13章 心の本音と、初めてのキスとキス

「待って、優!
でもいまは、いまは違うよ」



再び、熱い涙がこぼれ落ちようとした。

でもその私の目頭を、悠さんは指の腹で優しく撫でながら続けたの。





「優が、優だったから、いまの僕がいるんだ。
優じゃなきゃ、僕はずっと紫苑のままだった」



「しお ん?」




どこかで聞いた名前だ。
ええと、確か……





「お金や顔なんかじゃない、素の僕を愛してくれた優だから、僕も優を愛する事ができたんだ。
順番は逆だったかもしれないけれど、でもいま僕は優を、心の底から愛しているんだよ」



「_________///////」





まっすぐに見つめられた悠さんの瞳が、すごく熱かった。


こんなにもハッキリと愛を告白されたのなんて、初めてだよぉ。





「女性の心を弄んでるだけの、汚い仕事だと思われただろうね。
だからこそ、優にはこの仕事の事は話さないようにしてたよ。
でも………これで、すっかり軽蔑されたかな」




「悠さん……っ」




「そうやって、僕を本当の名前で呼んでくれるのが嬉しかった。
ただいまって言える人がいてくれて、初めて家に帰る意味ができた。
優は、僕だけの天使なんだよ」



「___________っっ」




じわじわと、熱いものが込み上げてきそうなの。

さっきとは違う涙が、もう溢れてくる…!




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