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ふたり、溺愛中

第1章 お見合い結婚、しました

一人暮らししていたアパートは引き払い、これから一緒に住み始める新居は、小鳥遊さんが全て用意してくれた高級マンションの最上階だった。



(ひゃあぁぁ…人が蟻よりも小さい)



窓から見る下の景色に目眩がしていると、ふわっと背中があったかくなった。




「どうしたの、下ばかり見て」

「小鳥遊さん」



それは、後ろから私の背中を抱き締めた小鳥遊さんだった。




「おいおい、夫婦になったのに"小鳥遊さん"はないだろう?
優、君だって小鳥遊さんなんだから」

「あ、そっか。ごめんなさい。
でも、だって急に夫婦になったわけだから、慣れなくって…っ」




そもそも結婚って、恋愛にしたってお見合いにしたって、ふつう1、2か月くらいはお付き合いをしてから決めるわけでしょう?


私たちは、お見合いで顔を合わせただけで決めちゃったわけなんだからぁ。




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