ふたり、溺愛中
第5章 ひとりぼっちで×××
「……………………………
……………………………」
陽はだんだんと暮れ、青い空がオレンジ色にと変わっていった。
「悠さん、遅い…なぁ」
時計を見れば、もう18時になろうとしている。
お仕事で出かけて行った悠さん。
何時に帰るなんて言ってなかったけど、でもなるべく早く帰るようにするって事は、そもそも早く終わる用事ではなかったのかもしれない。
「お風呂は…冷めちゃうから、まだ入れない方がいいよね」
夕食にビーフシチューを作った鍋から、いい匂いがリビングまで漂っている。
いつでも食べられる支度は済んでるし、これと言って他にする用事もないから、ちょっと退屈を感じてきちゃった。
お部屋の片付けも済んじゃってるし、掃除も終わってるし…。何か他にしておく事あるかなぁ。
結局旅行先は、小さな旅館の近くにある遊園地のページを開いて置いている。
「…早く帰ってこないかなぁ」
ちょっぴり、寂しくなってきちゃったかもしれない。