
私と彼の関係
第2章 はじまり
「わる」
「あ、着いたよ」
悪い、言いすぎた。と謝ろうとしたとき、丁度藤崎のアパート前に着いた。
「ここに原付置いて」
「おぉ」
やべ、謝るタイミング逃したな。
後で謝るか。
とりあえず原付を指示された場所に停めて、藤崎のあとについていった。
3階建てのアパートの1階、1番右の角部屋。
そこが藤崎の部屋だった。
ガチャガチャ
藤崎が家の鍵を開けている時に少し気になったことがあった。
「なぁ親とかいねぇの?俺連れてたらバレんじゃねぇの?」
ガチャ
鍵が開いたと同時に藤崎は答えた。
「いないよ。一人暮らしだから。どうぞ、入って」
俺から藤崎の顔は見えなかったが、何となく家族の話題は触れて欲しくなさそうな感じがした。
俺は藤崎に言われた通り、部屋に入った。
「あ、鍵閉めといて」
そう言いながらどんどん中へ進んで行った藤崎。
ガチャリ
俺は言われた通り鍵を閉めて、部屋に上がった。
まさか、藤崎の家に上がるとは…
何やってんだ俺…
今更襲う後悔。
でもここまで来たら仕方がない。
藤崎はヤるつもりなのかもしれないが俺にはさらさら、ヤる気なんてない。
上手くこの時間を乗り越えないとな…
はぁ。めんどくせ。
とまぁ、少し萎えながらリビングへ入った。
「おじゃまします」
