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私と彼の関係

第2章 はじまり

「あーもういい。深見くんも酒飲む?もうちょっとしかないけど」

そう言って口に酒を含んでいく藤崎。

ちょっとしかないとか言って聞いときながら、自分が飲むのか、と思いながら俺も飲みたい気分だから貰うことにした。

「じゃあ、貰う」

そう言って藤崎が持っていた缶チューハイに手を伸ばしたとき

チュー

「んんっ!?」

いきなり藤崎がキスしながら、口に含んでいた酒を口移ししてきた。

ゴクッ-

無理やり流し込まれた酒は甘い桃の味がした。

ゴクッ

最後の一滴を飲み干した。

クチュ-レロッ-クチュ-

なのに一向にキスをやめない藤崎。

むしろ、舌を絡めて話そうとしない。

「っん…おぃっん…おわっ…りっ」

無理やり舌をほどいて体を離す。

「んんー。もうなんで離したの?」

不満そうに言いながら少し漏れた酒を舐めるように、口の端をペロリと舐めた。

ほんとコイツはエロい行動ばっかするな。
たぶん分かってやっているんだろうな。

「なんでって。普通酒飲みたいって言ったら口移しで飲ましてくるか?」

「このチューハイ美味しいでしょ?」

「美味かった。じゃなくて!」

「もうちょっと飲みたい?」

「もういい」

「あ、そう?じゃあ私飲んじゃお」

そう言って残っている酒を飲み干した藤崎。

「俺の話聞いてる?」

「聞いてる聞いてる。深見くんのキス好きだからついしちゃったの、ごめんねー」

自分勝手過ぎないか、コイツ。

はぁ。

「あ!深見くん」

俺がため息をつきそうになった時、藤崎が何か気付いたように俺を見た。

「な、にっっ!?!?…んんっ」

ペロッ-
ツーッ

いきなり俺の顎の下を舐めたかと思うとそのまま首から鎖骨までを舌でなぞってきたのだ。

時折はぁっと息を吹きかけるように舐める藤崎。

「んっ、、なにっ…してんっだっ…っ」

力が抜ける。

チュッ

何度か首と鎖骨を行き来すると、最後に鎖骨にキスをした。

そして、耳元に顔を持っていくと、

「…はぁっ…エロい声」

甘い吐息と一緒に囁いた。

「んっ…はぁっ」

思わず漏れる俺の声。

男の弱い所は全部知っているかのような刺激の仕方。

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