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私と彼の関係

第2章 はじまり

ーーーー1時間半後

「ん~面白かった。満足、満足~」

満足そうにニコニコしている藤崎と一緒に映画館から出てきた俺。

見に行きたい映画がサスペンスだったのは意外だったが俺も久々に面白いと感じた映画だったから良しとしよう。

たださっきから1つ問題なのが…

「お前、あんまり笑顔ふりまくのやめろ…」

「え?別にふりまいてないけど?気分がいいだけ~」
そう言ってまたニコニコする藤崎。

「気分がいいのはわかったから、頼むから今ちょっと抑えてくれ」

「え、どうして?」

「…さっきから周りの視線が痛い」

美人なうえ、ニコニコしている藤崎だから仕方がないのかもしれないが、さっきからすれ違う人みんなの視線が飛んでくる。

しかも視線だけならいいのだが…

「うわ、あの人すごい美人さん…隣にいる人彼氏かなぁ~?」
「うわほんと。いやでもあの顔ならもっとランク上の男目指せるでしょ」
「確かに。もったいない…」

…さっきからコソコソと聞こえてくる。

てか、うるせぇよ。悪かったな、隣にいるのが俺で。

完全に風評被害。

「??私じゃなくて深見くんが視線集めてるんじゃない?私が注目されるわけないよ、そんなに可愛くも綺麗でもないのに」

藤崎はそれを真顔で言った。

…………まじか。

気付いてないのか。
天然か?
というかこれだけ美人なのに自分を綺麗じゃない、可愛くないって認識してるって、どれだけ理想高いんだよ…

「まぁ何でもいいけどさ、次どこ行く?」

「え、映画終わったし帰るんじゃねーの?」

「え、まだお昼じゃん。帰るのもったいないよ、どっか行こ。というか付き合って」

「…はぁ。どこ行くんだよ?」

どうせ反抗しても意味がないことを悟った俺は素直に従うことにした。

「んー外暑いし絶対室内が良いからな…」

「カラオケは?」

「私カラオケ嫌いだから却下」

本当にわがままなやつだな…

「じゃあ漫画喫茶」

俺が良く行く場所を挙げてみた。まぁ漫画とか興味なさそうだしどうせ却下だろうけど…

「いいね、そうしよ。決定ー」

………意外にもokが出た。

「漫画に興味あるんだな」

「あるよ。普通に好きだし、全般的によく読むし、よく買う」

「へぇ。」

意外だな。と思いながら、俺たちは近くの漫画喫茶へと向かった。

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