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私と彼の関係

第2章 はじまり

美玲side

「ありがとうございましたーまたご利用くださいませ」

笑顔で接客してくれた店員さんにペコリとお礼をしながら漫画喫茶を出た。

外はもう真っ暗だった。

漫画喫茶に行くことが決まったあと、すぐに近くの漫画喫茶に入った私たちは、フリータイムにして数時間ひたすら漫画を読みまくった。

「あ~久々にいっぱい漫画読んだ~好きだけど最近読んでなかったからなぁ」

そう言いながらスマホを見ると時刻は19:40と表示されている。

「もう7時過ぎてるのか…ね、ご飯どうする?」

さっきは集中して漫画読んでたから気にならなかったけど、店を出てから思い出したかのようにおなかが空いた。

「俺今日は家帰って家で食わねぇとさすがに母親がうるさそう」

あ。そっか。深見くんには深見くんの家族がいるもんね。
家族の時間は邪魔しちゃいけないし。

「あーそっか。じゃあ今日は帰ろ。確かここからなら帰り道途中まで一緒だよね?」

「あーそうだな。」

「じゃあとりあえずそこまで一緒に向かいますか。」

「ん。」

私たちはそうして歩き始めた。


ーーーーーー

「なぁ。」

10分くらい歩いたとき、それまでずっと無言だったのに急に深見くんから話しかけてきた。

「何?」

私は深見くんの方を見ずにそう答えた。

10分前までいた場所は賑やかだったけど、さっきから、ちょっとした田舎道に入り辺りが静かになった。

「…体はもう売るな」

話しかけるときの声のトーンからして、明るい話ではないだろうなという私の考えが的中した。

「売るって…別に金もらうことだけが目的じゃないし」

その辺にいる金目的だけのために援交してる女と一緒にするな。

まぁこの人にはわからないだろうけど。
別に誰かにわかって欲しいわけでもないし。

「じゃあ他にどんな理由があるんだ」

「秘密」

言うわけないじゃない。

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