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私と彼の関係

第2章 はじまり

「…」

「はい、この話はこれで」

「愛」

❝終わり❞そう言う続ける前に深見くんが一言、言った。

ドクッ

その一言に心臓が波打った。

「は?何言ってんの?愛なんて」

ハハッと馬鹿にするかのように笑った私。

「愛が欲しいからだろ。」

ドクッ

「違う。」

「愛して欲しくて、寂しさを埋めてくれる愛情が欲しいから。」

ドクッ

「違う。」

「でも意味ねぇよ。援交で手に入る愛は全部偽物。援交相手なんて金払えばヤらせてくれる女くらいにしか思ってねぇよ。」

「うるさいなー」

口では強がっているけどさっきから心臓がうるさい。

いつの間にか話に夢中になって2人とも足を止めていた。






「……もっと自分を大切にしろよ…」




ポソリと最後に深見くんは言った。





その瞬間暴れまわっていた私の心臓が収まった。




安心したからではない。



その言葉が好きだからでもない。













私が死ぬほど嫌いな言葉だから。




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