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君とずっと

第6章 告白





「僕が朝練終わって教室に戻るとき、ベランダにいる雛ちゃんを見つけちゃったんだ……」


健はまるで思い出話をするような口調で、少し悲しげに、悔しげに語った

雛は謝られたこと、知られてたこと、色々な驚きが重なりすぎて、どうしていいかわからないようだ



「雛ちゃんは恋する乙女の顔だったよ……誰のこと見てるかはわからなかったけど、愛しく想い見つめる雛ちゃんは本当にかわいかった」


そしてニコッと笑顔を雛に向けた

雛は目をまるくしたまま健を見ただけだった



「そのとき悲しさもあったけど、“僕もあんな顔されたいな”って思って燃えてきちゃったんだ」


あはは、と健が笑う

雛も健につられてクスッと笑った



「でも、やっぱり、かなわなかったみたいだね」


ちょっと悔しそうな笑顔を向けた



「え、あ、その……ごめんなさい……」

「いいよ、大丈夫だから」


健は雛の頭をポンポンとした



「じゃあ、1つだけお願い……聞いてくれるかな?」


健はいつもの優しい笑顔で雛に言った

雛は無言で頷いた



「僕と……僕とこれからも……友達でいて欲しい」


健は雛をじっと見つめた



「……え?雛…ちゃん?」


雛は涙を流していた

笑顔で静かに涙を流していた



「どうしたの?え〜っと、ごめんね?」


雛は首を左右に振った



「ごめんね、大丈夫」


雛は涙を拭い、笑顔を見せた





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