
君とずっと
第7章 本命
健はテニスコートへ
雛はベランダに向かった
〔テニスコート〕
「健様、おはようございます!」
「おはよう」
女の子二人がテニスコート前で待っていた
健はいつもの笑顔で挨拶を返した
「健様、今日は元気そうでよかったです」
一人の女の子が安堵の表情を浮かべる
そして、もう一人が鞄からプレゼントのようなものを取りだした
「昨日は体調がよろしくないように見えましたので心配しました」
「ありがとう」
健の優しい微笑みに二人とも、見とれてしまっている
「………あ、健様、あの…これを……」
そう言って、さっき取りだしプレゼントを差し出した
「健様に元気になってもらいたくて、二人で作りました!!」
二人は顔を真っ赤に染め、今すぐにでも逃げ出したいほどの恥ずかしさに襲われていた
健はそれを受け取った
「あ、クッキーだ、二人とも僕のことを心配してくれて……ありがとう」
健はいつも通り、笑顔を向けた
三度目の健の笑顔に耐えかね、二人は校舎の方へ走って行ってしまった
「本当においしそうなクッキー、でも……ちょっと困るな……」
