
君とずっと
第5章 気持ち
「それより、私なんかに何の用ですか」
私はベランダから校庭から見ながら言った
「私なんかってそんなに自分を下げるなよ」
「だって……何もできないし」
私はうつ向いた
「そう言えばこの前もそんなこと言ってたな……でも、料理と歌できるんだろ?」
「まぁ……」
「じゃあいいじゃんか!!」
西崎くんは私の隣に来て、手すりにもたれかかった
「え?」
私は西崎くんの行動と発言に驚いた
「ないこと悩んだってしかたないよ、出来ることを誇りに思えばさ」
西崎くんは私を見つめ、微笑んだ
私は見とれてしまった
「え、今のおかしかった?」
西崎くんは不安そうに私に尋ねた
「いや、そうじゃないよ!西崎くんも真面目なこと言うんだ……と思って……ね」
まさか、見とれたなんて言えない
だから、ちょっといじわるを言ってみた
そしたら
〈バチンッ〉
「いたっ」
西崎くんにデコピンをされた
「オレだって……真面目なこと言うわ!!」
「ごめんね」
雛はテへッと言って舌を出した
でも、まさかデコピンされるなんて思わなかった
「あ、そうだ、おわびに付き合って」
「え?……えーーー!!」
