
君とずっと
第6章 告白
「え?ちょっと待って、健くん」
「雛ちゃんだって、ちょっとは気づいてたでしょ?」
健くんはニコッと笑った
そりゃ、まったく知らなかったと言えば嘘になる
「雛ちゃん!」
健くんは真剣な顔で見つめてくる
「僕……君のことが……好きなんだ……付き合ってほしい」
そして、健くんは頭を下げた
私は何も言えず、立ち尽くしている
しばらくの間、二人で黙っていた
最初に言葉を発したのは健くんだった
「雛ちゃん」
「はい!」
「帰ろっか」
健くんは私に笑顔を向け、歩きだした
バスに乗り、家に着くまで、私たちは一言も話さなかった
