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薔薇寮の淫

第7章 心が悲鳴をあげた時

・北山side

北「だが俺はお前に抱かれて自分が汚れたなんて思ってないよ」

藤「北山」

北「欲にまみれたとも思わない、それは藤ヶ谷お前にも言えることだ」

藤「どうして?」

北「心があってのことならそう思うから、フッ」

藤「心?」

北「あぁ、誰かを想い起こした行動なら汚れてなんかいないと思う、その抱かれる相手が惚れた奴じゃなくてもな」

藤「ふっ、ありがとう少し気持ちが楽になった気がする ニコッ」



別に、ただ俺は正直に思ったことを言っただけさ。

それに―



藤「俺はわたのネコになったらもう北山を抱くことはしないから」

北「‥‥っ」

藤「その代わり、卒業までしっかり護って貰えるから安心しろ ニコッ」

北「藤ヶ谷」

藤「心配すんなって、今の言葉があれば俺は壊れたりなんかしないで済む」



そういう問題じゃねって。



北「ならキスしてくんね」

藤「えっ」

北「その…誓いの口づけってやつをさ、フッ」

藤「…北っ」



チュッ!

俺は初めて自分から藤ヶ谷にキスをし。

ドカッ!



藤「うっ」



隙をついてこいつに肘鉄を食らわした。

バタッ!

これ以上、お前を傷つけるわけにはいかないから。

“最後は自分で決める”

こういう事だろ五関、護られてばかりじゃ意味がない

お前はそう言いたかったんじゃないの?

今なら、それが分かる。



横「どうやら決着がついたみたいだな」



そして―

そこには全てを見通していたかの如く。

怪しい笑みを浮かべている横尾さんがいたんだ。

やっぱ…

最初っから俺が目当てだったってわけか。

だが横尾さん勝負はこれからだぜ。

俺も負けじと微笑み返す。

押し寄せる慟哭の予兆と、静けさの中で。





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