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薔薇寮の淫

第1章 それぞれの事情

・玉森side

職員室前―



宮「ねぇ、覗きはマズいって」

玉「嫌なら、別に付き合わなくていいけど」

宮「タマ、ハァ」



初めて俺がここへ来たとき何故だか宮田が笑顔で迎えてくれた。

先生じゃなく…



玉「どうして」

宮「あっ、えっと先生はね急用が出来ちゃって代わりに俺が ハハッ」

玉「だからなんでって聞いてるんだよ」

宮「今日から俺と同室なんだ、つまりはルームメイトってうわぁーいいなぁこの響き、でね実はってあれ?聞いてる」



へぇーっ、こいつが。

それが俺の第一印象、ヘラヘラした奴だなって。



宮「これから宜しく仲良くなれたら嬉しいな、なぁーんちゃって。あっ俺のことは宮っちって呼んでいいからね ニコニコッ」



つうかウザい、ハァ!



宮「で、玉森だからタマって呼んじゃう アハハッ」



俺、ネコじゃないし。



宮「それにしても可愛いなどうしてここへ来たの」



そっちこそなんでいるわけ全然ここの雰囲気に合わないじゃん。



宮「あっ、言いたくないなら別にいいけど」

玉「言いたくない」

宮「ごっ、ごめん、そうだ寮の中を案内するよ」

玉「いい独りで行く」

宮「ダメだって危ないから」



そんなわけないじゃん小さな子じゃあるまいし。



宮「あっ、待ってタマ本当に危ないんだ」



もう、いい加減に離れ…

えっ、なに?この嫌な視線は!?

けど、すぐその意味が分かったんだ。

宮田が、危ないって言っていた理由が。

それはまるで獲物でも見るようなイヤらしい視線で。

ゾクッと寒気がするくらいやな空気だったから。



「久々の上玉だな、ニッ」



なに、なんなんだよ?そんな眼で俺のこと見るんじゃないよ。

グイッ!



宮「タマこっち」

玉「宮田」



そしたら、こいつがイキなり俺の腕を引っ張って。



宮「手を出すなよ出したら許さないからな、キッ」



えっ?



「ふんっ、オタクがなにをほざいてる」

「誰からも相手にされず、タチにもネコにもなれない奴が」



タチ?ネコ、なにそれ。



宮「俺は、お前らとは違う愛一筋なんだ分からないだろうな、そういうの」



それから宮田はけして俺から離れようとはしなかった



あり得ない、なんて所なんだよ。





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