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薔薇寮の淫

第8章 愛するという意味

・北山side

北「うっ ヒクッ」

横「また泣くのか、ハァ」

北「しっ、仕方ねぇじゃん…ヒック‥勝手に…出て来ちゃったんだからさ‥グスッ」

横「お前ってやつはホント可愛いやつだな、フッ」

北「んなことねって、クッ」

横「いや可愛い、可愛くて仕方ないよ ニコッ」

北「よっ、横っ…グスン」

横「幸せになれ絶対に太輔から離れるんじゃないぞ」

北「んなの…分かってるってば‥ヒック」

横「よし、いい子だ」



横尾さんはそう言うと俺の頭を優しく撫でてくれ。



横「じゃあ俺が身体を洗ってやるな、フッ」

北「いいって」

横「なんだ?そんな事もう何度もしてやっただろ」

北「んだけど自分でやる」

横「いいから俺にやらせてくれ頼む」

北「‥‥っ」

横「この手で綺麗にし太輔へ返してやりたいんだ」

北「おまえ」

横「なっ?ニコッ」

北「コクン」



それから―



横「俺の最後の願い聞いてくれるか?」

北「なんでぇ?」

横「もう一度だけ、キスがしたい」

北「いいぜ ニコッ」

横「ミツ、ふっ」



チュプ!



北「んんっ…は‥ぁ…っ‥ん…っは‥」



俺達は深い口づけを交わす



横「ふっ、これじゃあ未練タラタラじゃん、みっともね フッ」

北「横尾さん、クッ」

横「さぁーてと、もうすぐ時間だ部屋の方へ行くとするか」

北「あぁ ニコッ」

横「確認するが決心の方は大丈夫なんだろうな?」

北「心配いらねって、俺はもう逃げないって決めたんだからよ ニコッ」

横「なら良かった、フッ」



建前は2人の恋人宣言。

しかし本当は違う横尾さんは俺にこう言ったんだ。

これが最終関門だと。

そして今こそ自分の想いに正直になれって。

その為にこいつは、悪役を演じきるつもりでいる。

だから、付き合ってやるよ俺もお前の猿芝居にさ。

時計の針は1時を差そうとしていた。

それと同時に俺の心も高鳴りを増していく

その静かな空間の中で。

待ち焦がれていた時を目の前にし―





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