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薔薇寮の淫

第9章 動き出した想い

・藤ヶ谷side

やけに、時計の秒針の音がリアルに聞こえる。



藤「ひろ、寝たの?」



参ったな、メシまだ食ってないし。



藤「なぁ郁人の言ったこと気にしてるんだとしたら」



が、そこまで俺が言った時



北「別に、んなんじゃねぇよ」



ボソッと、小さな声で呟くひろ。



藤「なんだ起きてるんじゃん クスッ」

北「寝ている奴に話しかけてたんならお前アホだわ」

藤「ふっ、相変わらず言い方は変わらないな」

北「当たり前だ、だいいち俺が宮田みたいな喋り方をしたら逆にキショいだろ」



何故そこであいつの名前が出る?



北「太輔」

藤「んっ?」

北「俺って可愛いのか?」

藤「はっ?どうしたんだ、いきなり」

北「だってよ今まで言われたことなかったのにお前も横尾さんも、みんな言うじゃん」

藤「あぁ嫌なの、そう言われるの?」

北「嫌じゃねっけど慣れてないから…その‥」

藤「なに?」

北「はっ、ハズいっつうかどう反応していいか」

藤「えっ」



ぷっ、なんだこいつそれで



藤「分からないって言いたいんだ?フッ」

北「‥‥っ」

藤「こっち向けよ」

北「うっ」

藤「ほら顔を見せろって」



そう言うとクルっと向きを変え、ひろは俺の胸の中へ顔を埋めて来る。

ほんと素直になったな。

そんなこいつの頭を優しく撫でながら俺は言葉を続けたんだ。



藤「いいんじゃない?今のままで、フッ」

北「どういう意味で?」

藤「いちいち気にせずそのときのお前でいればいいってことさ クスッ」

北「んだか?」



と、見上げた顔が何ともともいえず。

チュプ!



北「んっ…たいっ‥はふっんんっ」



思わずキスしてしまい。



北「…っは‥んバカ、急にしてくんなってば…ハァハァ」

藤「いいじゃん腹減っちまったんだから クスッ」

北「俺は、メシじゃねっ…つあっ、ビクン」



そのまま、上から下へ唇を落とし。



北「んっ、うんっ、あっ」



咄嗟にバタついたその両手を握りしめると。

ひろも、応えるかのように握り返してくる。



北「はっ、んっ、ああっ、んっ、ビクビクン」

藤「可愛いマジで可愛い」

北「太…輔‥ハァハァハァ」





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