テキストサイズ

薔薇寮の淫

第11章 希望という名の下で

・藤ヶ谷side

この人数で動くと、さすがに周りは妙な視線を向ける

だが…



玉「宮田、なにオタオタしてんの」

河「早く切符を買え」

ニ「わわわっ、電車来た」



ダダダッ!



千「ゼイゼイゼイ…セーフ」

ニ「わっ、わったーは?」

五「だいじょうぶ隣の車両にいる」



ガタンゴトン―



宮「ちょ、見えないよ」

藤「押すな宮田」

玉「あれミツ寝てる」

河「器用な奴だなぁ、立ったままで クスッ」

戸「ほんと フフッ」



俺達は必死だった。

その行き先を見届けなければと。



「○○駅○○駅、どたな様も…」



―シャーッ!



藤「降りるよ、ひろ」

北「…んっ?ん‥ゴシゴシ」



改札を出て。

路地を真っ直ぐに歩いてくわた。

暫くすると。



北「もしもし、そうっす、はい今そっちへ向かってるみたいなんで」



確実に、そこへと近づいてるのが分かり。



五「なんだって?あいつ」

北「分かったってさ」



そのことを、ひろが相手先へと伝えた。

数分後―



横「‥‥っ」



わたの足がまたもやピタッと止まってよ。



戸「あれは」



俺たちの視界にもハッキリと映った1人の男の姿。



五「恭平」



あいつが、飯田恭平。

そいつが両手を広げて叫んだんだ。



飯「来いよ渉、ほら!」



とたん、わたは。ダダダッギュッ!



千「やったぁー」

宮「千さん、シッ」



勢いよく飛び込んで行く。



横「恭平、恭平、クッ」

飯「ありがと渉 ニコッ」

横「おっ、俺…な‥」

飯「一緒に暮らそ、フッ」

横「‥‥っ」



見なくても分かる。

その顔は、きっと涙で濡れそぼっているだろうことが

チュッ、交わす口づけ…



北「帰ろうか、フッ」



それを見ながらひろがボソっと呟いた。



玉「そうだね フフッ」



そこには俺たちの知らないわたがいたんだ。



横「恭平えぇーヒクッ」



愛する人に甘える…





ストーリーメニュー

TOPTOPへ