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薔薇寮の淫

第5章 波立つ波紋

・藤ヶ谷side

けど、お前がいれば―



北「いっただきぃ、パクッ」

藤「おい、人の話し聞いてる?」

北「うっめぇーっ ニコッ」

藤「ふっ」



過去で汚れたこの部屋も、俺にとっては最高の場所となる。

その笑顔さえあれば…

気がつけば北山は、前とは変わらぬ感じで俺に接してくれていて。

いやかえって以前より親しくなった気さえするし。

きっかけは強引だったかもしれないが。

俺達の関係は少しずつ前へ進んでいたのかもしれない

昨日の夜のことが引き金となり。



北「言っとくけど、一緒のベットなんかに寝ないぞ」

藤「ふっ、勝手に潜り込むからいいさ ニヤッ」



俺に対しての態度が明らかに変化している北山が。

そこには確かにいたから。



北「そんなことしたら蹴りを入れ叩き落としてやる」

藤「俺は負けるつもりないけど フッ」

北「くっ、勝手にしろ」

藤「あっ、その言葉了解と受け取った撤回はなし」

北「はあっ?」

藤「あはははっ」

北「ふざけてんじゃねぇぞ藤ヶ谷」



とたん始まる狭い部屋での追いかけっこも。

ダッ!



藤「捕まえてみろよ」

北「てめぇ、いい加減にしろ」



ダダッ―

北山となら楽しくて仕方がない、フッ!



北「待てぇー」



でもあれ?なんで俺が逃げてるんだわ。

クルッ!



北「うわっち、突然向きを変えるんじゃね」



ギュッと抱きしめた身体は温かくて。



藤「好きだよ北山 ニコッ」

北「俺は…きっ‥」



チュッ!



北「んんっ」



それでも大好きだ愛してる

だから、唇を合わせずにはいられないんだ。



北「…っは‥ん…放っ‥せ…ぁ‥んんっ」



そして拒みながらも。

その口から漏れる甘い吐息が俺の理性を崩してく。



北「ん…やだ‥って…言って‥んんっ」



しかし相変わらず素直じゃないな。

自分だって舌を絡め、俺を貪ってるじゃん。



北「…っ、ハァハァハァ」



唇を離すと目の前には顔を真っ赤にしてる北山がいた



藤「ふっ」



潤んだ瞳で俺を見つめながら―





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