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はじめで終わる物語

第1章 惑星レオナカバオ

「さあ、入って探してこい」


「えっ!?」


 チャップは戸惑いながら、鏡を見つめる。


 まず、鏡の中に映る人達とは、着ているものから違いすぎる。


「いやいやいや、村長。ちょっとこれは大きなギャップがございますよ」


「なにを言っておる。みんなスマホとか言うものを持っている。お前も持っているだろう」


「いや、そうですけどね。地球の人間と比べて、我々は物がアンバランスなんですよ。地球の人達の服は、みんなお洒落じゃないですか。僕なんて、縄文式土器持っててもおかしくない服装で、スマホ持ってるんですよ。ここは車が無いのに飛行機は飛んでいるし、近くのスーパーなんて、会計がバネで吊り下げられたザルにお金入れてるんですよ。レジがないのに、なぜパソコンが普及してるんですか? ついこの前まで、携帯電話が出なかったら、通信手段が狼煙か飛脚ですよ。間の進化の過程がないのよ。糸電話から、壁にかけてある、なんかロボットの顔みたいな電話じゃなく、いきなりAIですから」


「ボケてる暇はない。さっさと行くのだ」


「なに、急にキャラ変えてシリアス!? ちょっと怖いですよ」



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