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はじめで終わる物語

第1章 惑星レオナカバオ

「ビブラートじゃないです!! ただ、声が震えてるだけですよ……」


 チャップと呼ばれるこの男は、30代で農家をしている。


「そうか……わしにはスキップして、機嫌よく向かって来てるように思えたんだが」


「違います。村長の家の前、かなり浅いけどかなり広い毒沼が出来てたんですよ。足をつけたら、靴が焼けそうになるので、毒泥が跳ねない程度に、とびながら来たんですよ」


「なるほど……だから、お前の靴はそんなに穴があいているのか……」


「これは、クロックスですよ。デザインです。地球って星の住民が履いてるのを真似したんですよ」


「なるほど」


 村長のヨマネーズは、意味なく深刻な表情を見せた。


 チャップは話を続けた。


「実は私が来たのは、そんなグダ話をするために来たんじゃありません。この村のはずれに魔物が出たんですよ。それを報告に来たんですが……でも、すでに魔物が来ていたのですね。毒沼を散らしていくなんて……」


「いや、あれはわしが、魔物を寄せ付けないようにまいたものだ」


「いや、余計なことするなっ!! 僕の靴を返してくださいよっ!! 底がグスグスに焼けちゃったよぅ!!」


「それはクロッカスなんだろ?」


「デザインとリアルは違います!! それにクロッカスは花ですよ!」

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