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はじめで終わる物語

第1章 惑星レオナカバオ

 ヨマネーズは燃えたパイプを水が入ったバケツに放りこむと、焼けてより素肌に近よった髭をジョリジョリとさすった。


「チャップよ、初めてのことをやると、ある程度の損傷はやむを得ないことだな」


「いろいろと細かく指摘する点はございますし、村長だとわかっておきながら、あえてまとめて言わせてもらいます……お前アホだろ」


「お前、それは失礼ではないか? ただのギャグではないか。プリティな老人の、お茶目なバラエティートークだと思わないのかね」


「あなたは、トークだけで終わらず、思ってから口に出す前に、すでに実行しているではありませんか」


 チャップの指摘に、ヨマネーズは怯まない。


「それだけ実行力があるということだ。地球の政治家にそれはあるかね?」


「あなたの場合は、バラエティーに力が入りすぎているのですっ!! あなたは以前、真面目な社会的問題点を後回しにしてまで、肛門にヒマワリを挿して“ハムスターよ俺が神だ”と一言だけ書いて、レオナカバオのSNSに配信してたでしょっ!! どこの村長が、自ら恥ずかしい写真をネットタトゥーにするんですかっ!? あれはこの星だけでなく、全惑星に配信されとるんですぞ!!」



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