テキストサイズ

栖桜兄弟の未来設計

第4章 思った通りだ

息を整えながら、怠そうな身体で横たわる徹弥が俺を見上げ、不安そうな顔をした。


「なんて顔してんだよ。もう1回するか?」

「もう無理だ。気づいてるんなら言っておくけど、これ結構キツイんだよ。」


心の中で慣れればそこまでいうほどじゃないんだけど、と徹弥には聞こえない言葉を言う。
聞きたいことはいくつかあるんだけど、何から話してもらおうか。


「徹弥と琉生の間には感覚共有があるんだろ?」


俺は徹弥の中から自身を抜きながら、徹弥に問いかけた。
渉のほうもどうやら終わっているらしい。
結局5限はさぼりだな。


「やっぱりわかってるんだな。」

「わかるもなにも口に出してるし、よっぽど鈍くない限りはわかるよ。」


徹弥はゆっくり起き上がり、小さく息を吐いた。
俺たちのことは教える気はないよ。
気付かない徹弥が悪い。


「そうだよな。詳しい説明、明日でいいか?マンション行くよな?」

「うん。わかった。」


そう言って、5限が終わる前に俺たちはその場で服を整え、食べられなかった弁当を食べ、頃合いを見て教室に戻った。
さすがにいなかったことに気付かれていて、どこで何してたんだと言われたけれど、徹弥の怠そうな様子を上手く勘違いしてくれて、ごまかすことが出来た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ