ご主人様は突然に
第7章 《未定》
~カズ side~
18時少し前にお義兄さんから
メールが届いていた。
マナカの兄であるマサキさんも
お義父さん同様に強面だけど
根は優しく、いい人だ。
……キレるとすげぇ怖いけど。
今日だけは残業にならないように
仕事をハイペースで終わらせ
今日までに仕上げなきゃいけない分は
塩谷に任せて会社を出た。
会社の向かいにあるちょっとした広場で
マサキさんは待ってて
俺に気づくと近づいてくる。
「よう、カズ。お疲れ」
「お待たせしました。歩きですか?」
「俺もさっき来たとこ。
で、あっちに車停めてる。行こうか」
そう言って歩き始める。
二人で肩を並べて
パーキングを目指してる間
マサキさんは黙っていた。
たぶん話は聞いてるはずなのに
俺を責めたりしないのは
どうしてだろう。
いっそ、責めてくれたほうが楽なのに。
そう思う自分が
ひどくずるい人間に思えて
身体が重くなっていく。
俺は―――
いつからこんなずるいヤツになった?
本当は逃げちゃいけないと分かってる
分かってるのに
自分の弱さや悪いところを
マナカのせいにして逃げてしまった。
最低だな、俺……
はぁ……とため息を吐くと
マサキさんが俺の顔をじっと見る。
「最近、マナカと会話してたか?」
「え……あ……
あまりしてなかったです」
「あれだろ。おはようとか、
おやすみとか必要最低限の¨挨拶¨しか
してなかったんじゃねぇか?」
「………はい、そうです」
言い当てられてドキッとした。
確かに挨拶はしてたけど
それはあくまでも挨拶であって
会話ではない
そんな事にすら気づかなかったなんて
俺はバカすぎる。
ちゃんとした会話をしたのは
いつが最後だろう。
マナカが¨自分の話¨を
しなくなったのはいつから?
センの話は絶える事はなかった。
晩ご飯片手に聞いていたけど
俺はちゃんとマナカの顔を見て
いなかった気がする。
どう考えても……
悪いのは俺のほうじゃないか。
18時少し前にお義兄さんから
メールが届いていた。
マナカの兄であるマサキさんも
お義父さん同様に強面だけど
根は優しく、いい人だ。
……キレるとすげぇ怖いけど。
今日だけは残業にならないように
仕事をハイペースで終わらせ
今日までに仕上げなきゃいけない分は
塩谷に任せて会社を出た。
会社の向かいにあるちょっとした広場で
マサキさんは待ってて
俺に気づくと近づいてくる。
「よう、カズ。お疲れ」
「お待たせしました。歩きですか?」
「俺もさっき来たとこ。
で、あっちに車停めてる。行こうか」
そう言って歩き始める。
二人で肩を並べて
パーキングを目指してる間
マサキさんは黙っていた。
たぶん話は聞いてるはずなのに
俺を責めたりしないのは
どうしてだろう。
いっそ、責めてくれたほうが楽なのに。
そう思う自分が
ひどくずるい人間に思えて
身体が重くなっていく。
俺は―――
いつからこんなずるいヤツになった?
本当は逃げちゃいけないと分かってる
分かってるのに
自分の弱さや悪いところを
マナカのせいにして逃げてしまった。
最低だな、俺……
はぁ……とため息を吐くと
マサキさんが俺の顔をじっと見る。
「最近、マナカと会話してたか?」
「え……あ……
あまりしてなかったです」
「あれだろ。おはようとか、
おやすみとか必要最低限の¨挨拶¨しか
してなかったんじゃねぇか?」
「………はい、そうです」
言い当てられてドキッとした。
確かに挨拶はしてたけど
それはあくまでも挨拶であって
会話ではない
そんな事にすら気づかなかったなんて
俺はバカすぎる。
ちゃんとした会話をしたのは
いつが最後だろう。
マナカが¨自分の話¨を
しなくなったのはいつから?
センの話は絶える事はなかった。
晩ご飯片手に聞いていたけど
俺はちゃんとマナカの顔を見て
いなかった気がする。
どう考えても……
悪いのは俺のほうじゃないか。