ご主人様は突然に
第7章 《未定》
~カズ side~
岩熊家に到着すると
お義父さん、お義母さんはいるものの
マナカとセンの姿がなかった。
「センはとりあえず二階にいるわ。
あの子に聞かせる話じゃないからね。
マナカは……もう少ししたら
帰って来ると思うから。はい、お茶」
俺の視線に気づいたお義母さんが
お茶をテーブルに置いて教えてくれる。
「ありがとうございます」
ペコッと頭を下げてお礼を言うと
お義父さんが
ゴホン!と大きめに咳払いをした。
「マナカはまだいねぇけどいいだろ。
とりあえず先に経緯を説明しろ。
カズ、お前本当に浮気したのか?」
「えっと、状況から判断すると
……浮気したんだと思います」
「ああ?なんだその曖昧な返しは」
お義父さんが眉をしかめて俺を見る。
顔が怖くて目を逸らしたくなるけど
それをグッと我慢する。
「実は……記憶がないんです」
「記憶がない?」
「はい。その……相手の女性とは
元々は顔見知りではあったんですが
仕事でも会う機会があったりして
同僚を交えて何度か食事に行ったり
知人として交流してたんです……」
「ああ、知人から発展するパターンか?」
「いえ、彼女のことは全く興味なくて。
取引先の方なので無下にできずに
食事には行ってたんですけど
必ず同僚を連れて行って二人には
ならないようにしてたんです」
「ほう。それで?」
「そこまでしてたのに
気づいたら彼女のアパートで
目が覚めまして……」
「あれか。酒の勢いってやつか」
「違います。お義父さん達も
ご存知のとおり俺は酒に強いので
酔い潰れるなんて考えられないです。
それなのに気づいたら彼女がいて……
俺もなにがなんだか分からなくて」
「なにも覚えてない、と?」
お義父さんが探るように
俺の顔を見据える。
「そうです」
「口だけならなんとでも言えるだろ。
それに実際その相手は
身ごもったらしいじゃねぇか」
「それは……」
思わず目を逸らすと
お義父さんがため息を吐いた。
岩熊家に到着すると
お義父さん、お義母さんはいるものの
マナカとセンの姿がなかった。
「センはとりあえず二階にいるわ。
あの子に聞かせる話じゃないからね。
マナカは……もう少ししたら
帰って来ると思うから。はい、お茶」
俺の視線に気づいたお義母さんが
お茶をテーブルに置いて教えてくれる。
「ありがとうございます」
ペコッと頭を下げてお礼を言うと
お義父さんが
ゴホン!と大きめに咳払いをした。
「マナカはまだいねぇけどいいだろ。
とりあえず先に経緯を説明しろ。
カズ、お前本当に浮気したのか?」
「えっと、状況から判断すると
……浮気したんだと思います」
「ああ?なんだその曖昧な返しは」
お義父さんが眉をしかめて俺を見る。
顔が怖くて目を逸らしたくなるけど
それをグッと我慢する。
「実は……記憶がないんです」
「記憶がない?」
「はい。その……相手の女性とは
元々は顔見知りではあったんですが
仕事でも会う機会があったりして
同僚を交えて何度か食事に行ったり
知人として交流してたんです……」
「ああ、知人から発展するパターンか?」
「いえ、彼女のことは全く興味なくて。
取引先の方なので無下にできずに
食事には行ってたんですけど
必ず同僚を連れて行って二人には
ならないようにしてたんです」
「ほう。それで?」
「そこまでしてたのに
気づいたら彼女のアパートで
目が覚めまして……」
「あれか。酒の勢いってやつか」
「違います。お義父さん達も
ご存知のとおり俺は酒に強いので
酔い潰れるなんて考えられないです。
それなのに気づいたら彼女がいて……
俺もなにがなんだか分からなくて」
「なにも覚えてない、と?」
お義父さんが探るように
俺の顔を見据える。
「そうです」
「口だけならなんとでも言えるだろ。
それに実際その相手は
身ごもったらしいじゃねぇか」
「それは……」
思わず目を逸らすと
お義父さんがため息を吐いた。