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ご主人様は突然に

第2章 波乱の同窓会



な……なんで……

アイツがいるわけっ?!


嫌な予感がしたのって

このことだったのかも。





私は昔からカオルのことが苦手で

極力関わらないようにしていた


こうやって顔を合わせるのも

随分と久しぶり。



話しかけられただけで

顔は合わせてないけど

心臓に悪いのは確かだ。



悪い意味でドキドキしている。



「はぁーー………」



お手洗いの中に置かれている

椅子に座ってボーッとしていると


ドアがゆっくりと開いた



「……マナカ?」


「……大丈夫?」



ナナコとアヤが心配そうな顔をして

様子を見に来てくれてホッとする



「ん。大丈夫。でも……」



ナナコには言うことがある。



「騙すなんてヒドイ!」



ジロリとナナコを睨むと

ナナコがガバッと頭を下げる



「本当にごめん!
カオルも大人になったし
もう絡んでこないと思って……」



ナナコの言葉に頷きながら

アヤが口を開く



「そうそう、私もそう思ったけん
カオルのことは黙っとった。
ナナコだけが悪いんやないよ」



「アヤも知ってたんだ……」



「うん。少し迷ったんやけど
カオルが仕事中ってことは
マナカに絡む機会も少ないやろー
と思って……ごめんね?」



「うーん……」



私が曖昧な声を漏らすと

ナナコが近づいてきた



「それに今回はマナカを
どうしても連れてきたくてさ……」



え?


首をかしげる私を見て

ナナコは続ける



「ほらマナカってさ、
私とアヤとマイ以外の人とは
ほとんど関わってなかったじゃん?」



確かに。

人付き合いは苦手な方だ。



「今回、同窓会するってなって
何人かがマナカに会って
話してみたいって言っててさ。

頼み込まれたわけよ、私たち」



「えっ!」



「そうそう。
主に男子からの要望やけど。

人妻のくせにモテやがってー!」



「ええっ!」



「だから今日だけ
私たちの顔を立てると思って……

男子と話してやって!」



「えー……?

あぁ……なるほど……」



ナナコが幹事になったのには

こういうわけがあったのか、

と悟ってみたものの



そんなこと言われても……

という気持ちでいっぱいだった。


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