ご主人様は突然に
第2章 波乱の同窓会
ナナコとアヤには
¨カオルに絡まれたら全力で助けて!¨
という交換条件をのんでもらって
私も折れる=まだ帰らないことにした。
そして今は部屋に戻る前にと
カズのことを話し終えたところで
「子供作るってどーゆーこと?!
てか、どこの女?!」
「……分かんない……」
「しかも逃げるって怪しいやろ。
妊娠も嘘かもしれんよ?」
「……うーん……」
「とりあえず
カズ見つけたら一発殴ろう!」
「そうやね!フルボッコや!」
「ちょっと、二人とも……」
二人はかなりお怒りモードで
なぜか私が二人をなだめるという
変な展開になっていた
ていうかアヤ。
フルボッコは一発じゃないよ。
「てか、マナカ冷静過ぎ!
カズのことむかつかないの?」
「そりゃむかつくよ!
でも浮気の証拠とか
直接見つけたわけじゃないし
突然過ぎてカズの話だけじゃ
イマイチ信じられなくて……」
「まぁ、確かに。
単純にマナカと別れたいだけかも
しれないしね」
「ナナコ……
それ地味に傷つく……」
「ごめんごめん。
まぁでも相手の女が現れたりしたら
実感が湧きそうだよね」
「うん……」
ナナコと私が神妙な顔をしていると
「てか、二人ともよく考えなよ。
……女が現れたらって
それどう考えても修羅場やん」
アヤがごもっともなことを言う
口をあんぐりさせる
ナナコと私を見て
アヤは眉を下げてため息を吐く
「それに女が現れたところで
マナカはその女に
妻としてビシッと言えるん?」
言え……ないかも。
いや、弱気じゃだめだ。
まだ私がカズの妻なんだし!
「……言える!!」
「なんて言うと?」
「妻子持ちに手ぇ出すな!って。
あとは、妊娠した証拠を見せろ!
とかかな?」
「うん、それだけ言えたら
上出来やと思う。
でも実際にそうなったら
会話どころやないけどね~ハハハッ」
アヤは子供はいないけどバツイチで
元旦那に浮気されて
相手の女ともバトッたと聞いていた
「……カズの本音を吐かせるのは
私に任せてくれたらいいよ」
アヤがにやりと悪い顔をする
¨経験を積む¨
積みたくない経験もあるのが人生だ。