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ご主人様は突然に

第2章 波乱の同窓会




部屋に戻ると

眉を下げたままの佐藤くんが

私を見てきた。



佐藤くん……

心配させちゃったかな……。



佐藤くんには泣きそうな顔を

バッチリ見られてしまった


そんな顔を見てしまったら

変に思うだろうし

心配させてしまったかもしれない



申し訳ない気持ちになりながら

自分の席について

佐藤くんに顔を向ける



「佐藤くん。さっきは……」


「もう大丈夫そうだね」


「え……あ、うん。もう大丈夫」


「なら良かった。じゃー飲も!
俺岩熊さんと話してみたかったんだ」



あ。

さっきナナコが言ってた……



「岩熊さん、いつも緒方しか
眼中ないって感じだったし……

あ、緒方も元気?」



今カズの話題は厳しいな……


でも佐藤くんは

なにも知らないから仕方ないか。



「あ……うん。元気だよ」


「子供さんって男の子だよね?
二人の子だから可愛いんだろうなー」


「うん!すっごく可愛いの!!」



センの話題なら大歓迎っ!


ウチのセンは

酒の肴にできるほど可愛いんだから!



テンションが上がった私を見て

佐藤くんは驚いたようだけど

すぐにフッと微笑んできた



「あ……そうなんだ?
写真とかあるなら見てみたいな」


「あるよっ!ちょっと待ってね……

ほらこれっ超可愛いでしょ~?」



携帯を鞄から取り出して

待ち受けのセンの画像を見せるため

携帯をそのまま佐藤くんに差し出す



「うわっ本当だ!超可愛いね!
名前はなんて言うの?」


「センって言うの!
もう食べちゃいたいほど可愛いの!

ん~どれも良い写真で選べないな~」



愛息子を褒められて上機嫌な私は

頼まれてもないのに他の画像を探す


バカ親とバレるのも時間の問題だ



「俺としては
……さんを食べちゃいたいけどね」


「え?なにか言った?」



佐藤くんがなにか言った気がするけど

よく聞き取れなかった



「ううん、なんでもないよ。

センくんの写真たくさんあるんだね。
可愛い顔、全部見たいなっ」



そう言ってにこっと微笑むから

意識はすぐセンのことに向かって


佐藤くんがいつの間にか

距離を詰めてきてたのも


私を見つめる瞳が

変わったことにも気づかなかった。


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