ご主人様は突然に
第2章 波乱の同窓会
¨トラブルメーカー¨
そんな悪名がソイツについたのは
いつからだろう
そんなの覚えてないけど
良くも悪くも
いつだってソイツは
周りを巻き込んで騒がせる。
そして今、
この場にいるほぼ全員が
¨コイツが関わるとロクなことがない¨
と思ったはずだ。
「つーか、ラストドリンクの
注文を取りに来てみたら、なにこれ。
修羅場ってやつ?
女の裏の顔ってチョー怖ッ!」
「ちょっと、カオル……」
ナナコの声かけを無視して
カオルは足を進め
小林さんの前で足を止める
「特に小林。お前そんなキャラだっけ?
おとなしいヤツかと思ってたけど」
「なっ……なによっ、
落合くんには関係ないでしょっ!
どっか行ってよ!」
意識を取り戻した小林さんが
腕を振り上げると
カオルはそれを簡単に捕まえた
「ああ、関係ねぇよ。
でもさ~ここにいる関係ないヤツらを
巻き込んだのはお前だろ?
なのに今さら関係ないってお前~
虫がよすぎるんじゃねぇの?」
あれ。
珍しくマトモなこと言ってる。
「……っ……」
小林さんはカオルを睨み上げて
歯を食いしばっていた
「あれ。言い返さねぇの?
つまんないやつ~。
てか、お前いろいろと
勘違いしてるわ。
お前に子供が出来ようが
俺は知ったことじゃねぇけど
離婚するかどうかは
コイツら夫婦の問題なんだよ。
子供をダシにしてねぇで
正々堂々と戦いやがれ。
この、どブスが!」
……は?
どブスて。
どさくさに紛れてなに言ってんの。
小林さんの顔が
みるみるうちに赤く染まっていく
「俺、カズの好みのタイプは
誰よりもよーく知ってるけど……
お前みたいな¨どブス¨
天地がひっくり返っても
カズは好きになんねぇよ。
整形でもして、出直してきたら?」
「うっ、うるさい!!
なんなのアンタ!最低っ!!」
小林さんが怒りのあまり
プルプルと震えている
「最低で結構。
ま、お前には負けるけどね~」
カオルは、にた~と粘っこく笑う
口ではぜったい勝てない。
そう思いながらカオルを見ていた。