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ご主人様は突然に

第3章 お持ち帰りですか?




まじ激しかった?



激しかったって……

ま、まさかね?


私に限ってそんな失態犯すわけが……



「……!」



カオルから目を逸らして

ふと自分の身体を見て驚いた



ワンピース着てない!

で、でも、下着は……着けてる。



未遂なの?事後なの?



でも、激しかったって言ってたし

やっぱやらかしたの~~~!?



「フッ……」



内心で焦っているとカオルが笑った



「覚えてねぇんだろ?」



首をかしげて距離を詰めてくる



よく見れば上の服を着ていなくて

寝起きの目にはすごく酷だ



「お……覚えてないっ!
てか、あんた上ッ、ハダカだからっ。
ちゃんと服着てよ!」


「なんで?」


「なんでって……見たくないから!!」


「へぇ。じゃお前が着せて」


「ぎゃっ!!」



自然と抱きつかれて

大きな胸の中にスッポリと埋まる



背中で交差した腕が

私を強く捕まえていて

自分から離れるのは無理っぽい



「やめてよっ!離してっ!!」


「やだ。……ふぁ……眠……」


「眠いなら寝ろっ!
まじやめてっ、気持ち悪い!」



のんきにアクビをするカオルの身体を

空いてる手で思いっきり殴ってやると

はいはい、と身体が離れていく



ギロッと睨みつけると

カオルがため息を吐いた



「つーか、気持ち悪いは言いすぎだろ。
昨日はお前からキスしてきたくせに」


「……は?」


「あ?キスだよ。くちびるに!
それだけならまだしも
俺に向かって¨抱いて¨って言うし」


「えっ、待って。なに言ってんの。
私がそんなことするわけないし、
言うわけないでしょ。ふざけないでよ」


「待てよっ」



付き合ってらんない、と思い

ベットから降りようとする私の腕を

カオルが引き留める



「きゃっ……!」



強めに腕を引かれて

私の身体はカオルの胸の中に戻された



勢いで鼻を打って痛い



「いたたた……鼻が……。
ちょっとあんたねっ―――!」



抗議しようと顔を上げると

くちびるになにかやわらかいものが

そっと触れた



至近距離にはカオルの双眼



あ……れ?

なんで……キス……?



目を見開いたまま固まっていると

カオルの瞳が細められた


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