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「うらやま」

第2章 ヨシくんの記憶

川で倒れている少年の光景・・・・


ボクはそれが「アキちゃんだと思いこんでいた」!!


実際はその日、大阪の親戚の家に遊びに行ってたからボクはその場に居なかったハズなんだけど、


小さかったボクは「もしかしたらボクがアキちゃんを突き落としたんじゃないのか」


自問自答していた


そんなことはしてないんだけど、ビジョンだけは明確に脳裏に残っている


でも、ようやく全体を思い出してきた・・・・・!!



アキちゃんが亡くなる日の前日の土曜日



当時は小学校の土曜日は午前中までだったので、帰宅してから昼御飯を食べ、いつものようにアキちゃんと裏山へ行ったんだった


いつものように裏山の奥まで探検して、あの高い沢まで来ていた


そしていつものように歳上のヨシくんが合流して沢で遊んでいた



いつものようにふざけてばかり



いつものようにオシッコを並んでしてて、



いつものようにヨシくんがボクの股間をいぢってきた



ボクは笑いながら逃げ回った


そのときはいつになくヨシくんがしつこかった


ハァハァ言いながら追いかけてくる


ちょっとイラッとしたボクはヨシくんの手を振りほどこうと肩だったか、二の腕だったかをバァンと叩いた


するとヨシくんは身構えようと態勢を変えたとき、足元のバランスを崩して自分から沢の下へ落ちていった


ボクとアキちゃんは大爆笑しながら「あほやーー!」と囃し立てていた


そのとき沢の上から見た光景・・・!



沢の下で倒れてるヨシくん



ああ、あれはヨシくんだったんだ!



結局ヨシくんは這い上がってきて、今度はボクら3人は鬼ごっこみたいに追いかけては沢から落とすという遊びに変わったんだ!


ボクが落とされたり、アキちゃんが落とされたり


今を思えば少し危ない遊びだったのかも・・・・


でも最初のヨシくんが倒れてる光景はすごいショッキングだった!


倒れたままピクリとも動かない少年の光景


小学1年生のボクには恐ろしい光景だったし、


日曜を挟んで月曜にはアキちゃんの事故の話を知らされていたので、恐ろしいものから逃げ出したい感情になったのかもしれない


その恐怖心から、ボクは心のどこかに罪悪感だけが残って記憶が編纂されてしまったのかもしれない


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