
ローズ学園
第3章 春太&快斗③
快斗が僕の頭をゆったりなでる。
「怖がらなくていいよ。俺、春太に優しくしたい。
それに、春太がほんとに嫌ならやめるからさ。」
快斗の目が優しくて。いつもの快斗で。
僕の心がだんだん落ち着いて温かくなる。
僕はほんとは…。
「いやじゃ、ないよ…。」
小さい声でホントの気持ちを伝える。
恥ずかしくて、ドキドキして、なんかもうおかしくなりそうなくらい心臓がうるさい。
でも、快斗に伝えたかった。
「ほんとに?」
快斗が少し不安そうに聞いてくる。
快斗とのその言葉に僕は頷く。
快斗が僕の上にいて、顔がすごく近くて、
その状況がまた僕のドキドキを大きくする。
あぁ。僕、快斗好きだなぁ。
不意にそんなことを思った。
今、目の前にいる優しくて、かっこよくて、いつも側にいてくれる快斗が、好き。
そう思えることがすごく嬉しい。
ギュウッ
快斗が突然僕を抱きしめる。
快斗の顔がすぐ近くにあって、熱い。ドキドキがやばいよ。
それにこのもう一つのドクドクは快斗の?
快斗もすごくドキドキしてるんだ。
そのことにちょっと驚いて、でもなんだか嬉しかった。
快斗も僕と同じなんだ。
「よかった…。ホントはさ、不安だったんだ。春太が嫌がってたらどうしようって。」
「そ、そんなわけ…!」
「うん。そう言ってくれてすごく嬉しかった。」
快斗のドキドキは止まらなくて、僕のドキドキはます一方で。でも、
快斗に抱きしめられてるとすごく安心した。
僕は快斗の頭を撫でてみる。いつも快斗がしてくれるみたいに。
快斗に僕の思いが伝わるように。
