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君がいるから

第4章 君と迎える朝

「子供じゃないんだから…」

「翔ちゃん、心配じゃないの?!」

雅紀が声を荒げた。

「だからさ、智は立派な大人だろ」

本音は傍にいて看病したいけど…

つい雅紀の前ではカッコつける。

「もーっ!とにかく行ってよ!俺、心配でしょうがないの!」

でも、来るなって言われちゃったらどうしようもないじゃん…

おいおい

…何故に涙声になる。


「雅紀?」

「弱ってる時って、1人じゃ不安になるんだよ…?」


そうだ。

ここが雅紀の良いところ。

ストレートに感情を伝えるのに、大人とかそんなの気にしないとこ。

「…分かったよ。明日行くから」

「ダメ!」

「は?」

「今から行って!」

今からって…

「もう夜遅いだろが」

「俺から大ちゃんに電話しとく。じゃあ、よろしくね!」

「え…っちょっ…!」

…切れたよ。

そもそも明日、平日だし

俺も仕事なんだけど…


が、これで行かなかったら

絶対に雅紀がめんどくさい事になる。

それに智にも連絡しちゃうらしいし

「しゃあない。行くか」

…なんて、渋々を装ってても

心の奥底では

智の傍に早く行きたかった。



飲んでなくて良かった。

いつもは家に帰るとまずビール、なのに。

今日はたまたま飲む気分じゃなかったのは

虫の知らせって奴なのかな

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