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君がいるから

第4章 君と迎える朝

さっきまで智が寝ていたソファーに体を沈める。

とりあえずはしばらく様子見しかない。

…やる事がなくなって

少しホッとした。

これで熱が下がれば安心だけど

明日も智は休まなきゃ無理なのは明らかで。

俺も、これで仕事に行くのは

とてもじゃないが気が向かない。

明日…いや、もう「今日」か。

有休を使って智の傍にいる事に決めた。

これで休めば、土日挟んで3連休になる。

様子によってはここにいよう。

そうと決まれば

俺は智が深く眠っているのをもう一度見てから

大急ぎで一旦自宅に帰る事にした。

智が起きる前には戻って来たいから

ネズミ取りがいたら間違いなく一発アウトな速度で、車を飛ばした。

家に入ると

とりあえずの着替えと、必要なものを手当たり次第にボストンバッグに詰めていく。

あれもいるかも、これもあったらいいかも…なんて
していたら

ボストンバッグに収まりきらない量になってしまった。


そういえば

高校生の修学旅行の時、誰かが「~持ってない?」って聞くと大抵のものを持ってた俺に

「翔ちゃんのカバンは四次元ポケットか!」

なんて智に言われたなぁ


変わってないな、俺

思い出して苦笑いしか浮かばない。

その代わりに智の方は

荷物が無さすぎてびっくりしたっけ。

結局足りないのは殆ど俺のを使ってて。


「…いそご」

思い出に浸ってる場合じゃない。


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