テキストサイズ

君がいるから

第4章 君と迎える朝

丁寧に、顔から順番に拭いていく。

気持ち良さそうに目を閉じる智は

まだ少し…熱い。

首回りから鎖骨、肩にタオルを滑らすと

ピクリと智の体が跳ねた。

気のせいか、と構わずに拭いていたけど

また、体が跳ねたと思ったら

「…っ」

何かに耐えるような吐息。

もしかして…

智、感じてる?

今度は確かめるべく、

わざとその場所にタオルを辿らせて見る。

「んあ…っ」

明らかに感じてる声に

忘れてたはずの下心ががっつりと舞い戻ってきた。

「智…感じてるの?」

「ちが…っ」

清拭する事なんか放り投げて

智の唇に自分のそれを重ねる。

触れ合わせるだけのキスが物足りなくて

「智…口開けて?」

言われるままにうっすらと開いた智の口内に舌を滑り込ませた。

「ん…っ」

歯列をなぞり、逃げようとする舌を絡めとる。

智が苦し気に顔を歪ませるけど

止まらなかった。…いや、止める気もなかった。

気が済むまで、智を味わってから唇を離す。

お互いの唇を繋ぐ、キラキラ光る唾液が艶かしい。

そっと智の唇を人差し指でなぞる。

「翔ちゃ…俺、病人なんだけど…」

荒い息遣いで、恨めしげに俺を見た。

「…汗掻けば治るよ」

自分でも言ってる事メチャクチャだって言うのは分かる。

だけどもう、限界。

ごめんね。

俺、智を抱くよ…


何か言おうとする智の唇に再びキスしてから

唇を首筋に移動させた。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ