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君がいるから

第5章 休日

テーブルの上には

菓子パンやらおにぎりやら、色んな惣菜がこれでもか!ってくらいに大量に置いてあった。

戻ってきた翔ちゃんが

「料理できないからさ、テキトーに入れてたら…」

こんなに増えてた。

って照れくさそうに笑う。

「すごい量だよね」

必要かも知れない、と思ったら決して半端な事はせずに多目にストックするのは

「本当、翔ちゃんこういうとこ変わらない」

所々に見える、昔の面影を見つける度に

ちょっと嬉しくなる。


ああ、これが翔ちゃんの言う『好き』って事なのかな


「好きなの食べな?…一応油ものとかは控えてるからどれでも平気だと思うよ」

先に俺に選べ、と手で示す。

「これだけあると、むしろ迷う」

「確かに」


考えると益々迷いそうだから

適当に目の前にあったおにぎりを手に取った。


「はい、お茶」

差し出されたペットボトルを受け取って、喉に流し込む。

久しぶりに、胃の中が満たされる感じ。

「あー…うまい!」

「何日も食べてなかったんだから、程々にしとけよ」

「分かってるよ」


そう言いながらも手が止まらない俺を

翔ちゃんが苦笑いで見つめていた。

「翔ちゃんも食べなよ」

「あ、気にしないで。適当に食べるから」


そう言うから

本当に気にするのはやめた。





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