
君がいるから
第1章 再会
新しく、取り引き先となる会社を紹介され
その挨拶に行くようにと部長に言われた。
つまり、そこの担当を任されたんだ。
新規開拓のワクワクと、相手先の担当がどんな人物か気になりながら
俺は通された応接室で静かに待っていた。
「失礼します。お待たせして申し訳ありません。私、担当の……」
ノックの後、ドアを開けた担当者は
途中で言葉を無くした。
どうしたんだろう?と顔を上げると
「……智?」
そこには、考えもつかない人物が目をまんまるにして立ち尽くしていた。
「や…やっぱり翔ちゃん?!」
マジでー!?と智は子供みたいに抱きついてきた。
「名前聞いて、まさかとは思ったけど…本当に翔ちゃんだったんだ!」
勢い良く飛び付いてきたから
…倒れないようにふんばって智を支えた。
フニャッと笑う顔は変わっていない。
いや、少し大人っぽくなった。
…当たり前か。
俺も智も、もう27になるんだから。
「と…とりあえず座ろうか」
入口で、お茶を持った女子社員が固まっていたのが目に入って
俺は少し慌てて智を引き剥がした。
「金子さん、ごめんねー」
智は何事もなかったように笑う。
「いえ…大野さん、お知り合いですか?」
金子さん、と呼ばれた女子社員は気を取り直して
お茶をテーブルに置いた。
「そうなんだよ!高校の同級生で、すごく仲良かったの」
嬉しそうに言う智に、金子さんも笑う。
「ごゆっくりどうぞ」
失礼しました、と俺に会釈をして
彼女は応接室を後にした。
その挨拶に行くようにと部長に言われた。
つまり、そこの担当を任されたんだ。
新規開拓のワクワクと、相手先の担当がどんな人物か気になりながら
俺は通された応接室で静かに待っていた。
「失礼します。お待たせして申し訳ありません。私、担当の……」
ノックの後、ドアを開けた担当者は
途中で言葉を無くした。
どうしたんだろう?と顔を上げると
「……智?」
そこには、考えもつかない人物が目をまんまるにして立ち尽くしていた。
「や…やっぱり翔ちゃん?!」
マジでー!?と智は子供みたいに抱きついてきた。
「名前聞いて、まさかとは思ったけど…本当に翔ちゃんだったんだ!」
勢い良く飛び付いてきたから
…倒れないようにふんばって智を支えた。
フニャッと笑う顔は変わっていない。
いや、少し大人っぽくなった。
…当たり前か。
俺も智も、もう27になるんだから。
「と…とりあえず座ろうか」
入口で、お茶を持った女子社員が固まっていたのが目に入って
俺は少し慌てて智を引き剥がした。
「金子さん、ごめんねー」
智は何事もなかったように笑う。
「いえ…大野さん、お知り合いですか?」
金子さん、と呼ばれた女子社員は気を取り直して
お茶をテーブルに置いた。
「そうなんだよ!高校の同級生で、すごく仲良かったの」
嬉しそうに言う智に、金子さんも笑う。
「ごゆっくりどうぞ」
失礼しました、と俺に会釈をして
彼女は応接室を後にした。
