君がいるから
第1章 再会
「変わんないね、翔ちゃん」
智は相変わらずフニャフニャの笑顔で俺を見つめた。
「高校の時のまんま。カッコいい」
サラッと言われて
思わず赤面する。
ごまかすようにお茶に口を付けたけど
「あちっ!」
その熱さに驚いて、慌てて湯呑みを茶托に戻す。
「大丈夫?!そんなに熱い?」
智が確かめるように自分のお茶を口に運んだ。
「…そんなに熱くないよ? あ、翔ちゃん猫舌だったんだ!」
良く覚えてたな、そんな事。
確か1回だけ、言った記憶はあるけど
それ以来、熱いものは避けてきたから、覚えてる方がむしろ驚きだ。
「翔ちゃん、1回缶コーヒー飲んで思いきりぶちまけたじゃん」
翔ちゃんの事なら全部覚えてるよ?
と智が楽しそうに言うから
あの頃の気持ちが
少しずつ胸を侵食していく。
「智ってそんなに記憶力良かったっけ?」
わざと茶化して自分の胸の内を押さえ込む。
「何それー」
ブー垂れたような声に吹き出すと、つられて智も笑いだした。
それからは他愛ない話を少ししてたけど
会社に戻らなきゃいけない事を思い出して
とりあえず報告する為な形式だけは取り繕ってから
改めてお互い変わった携帯の番号とアドレスを交換した。
「今夜、電話するね!」
帰り際、智が握手を求めてきた。
握った手がとても柔らかくて
このまま握っていたい気持ちを必死に隠しこむ。
「わかった」
赤くなった顔を見せないように
応接室を後にした。
智は相変わらずフニャフニャの笑顔で俺を見つめた。
「高校の時のまんま。カッコいい」
サラッと言われて
思わず赤面する。
ごまかすようにお茶に口を付けたけど
「あちっ!」
その熱さに驚いて、慌てて湯呑みを茶托に戻す。
「大丈夫?!そんなに熱い?」
智が確かめるように自分のお茶を口に運んだ。
「…そんなに熱くないよ? あ、翔ちゃん猫舌だったんだ!」
良く覚えてたな、そんな事。
確か1回だけ、言った記憶はあるけど
それ以来、熱いものは避けてきたから、覚えてる方がむしろ驚きだ。
「翔ちゃん、1回缶コーヒー飲んで思いきりぶちまけたじゃん」
翔ちゃんの事なら全部覚えてるよ?
と智が楽しそうに言うから
あの頃の気持ちが
少しずつ胸を侵食していく。
「智ってそんなに記憶力良かったっけ?」
わざと茶化して自分の胸の内を押さえ込む。
「何それー」
ブー垂れたような声に吹き出すと、つられて智も笑いだした。
それからは他愛ない話を少ししてたけど
会社に戻らなきゃいけない事を思い出して
とりあえず報告する為な形式だけは取り繕ってから
改めてお互い変わった携帯の番号とアドレスを交換した。
「今夜、電話するね!」
帰り際、智が握手を求めてきた。
握った手がとても柔らかくて
このまま握っていたい気持ちを必死に隠しこむ。
「わかった」
赤くなった顔を見せないように
応接室を後にした。