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君がいるから

第5章 休日


「でも…やっぱ賛成できない」

「もう遅いよ」

「これでぶり返したらどうするの」

「だから翔ちゃんを連れて行くんだよ」



は?

何でそうなる。


「何言ってんの?」

相変わらずにんまりしてる智を軽く睨む。

「翔ちゃんが一緒なら、安心でしょ」

「どういう事?」

「大丈夫かどうか、翔ちゃんが確かめられるじゃん」



おいおい。

何だその理屈は。

確かめるも何も、それ以前に俺は釣りが嫌いだって知ってるよね?

まだ、一緒に行った事はないけど

嫌いな理由も伝えてるはず。

「俺、釣り嫌いって知ってるよね?」

「知ってるよ」

それがどうかした?と事もなげに答える智は


「その、超不機嫌な翔ちゃんにも興味ある」

あっさりとそんな事を口にした。


不機嫌な俺を見たって、気分悪くなるだけじゃねえか

本気でワケ分かんないぞ…


だけど、次に出された言葉で

俺の顔面は一気に弛んでしまったんだ。



「俺、翔ちゃんの色んな顔見たいの。…全部俺のものにしたいんだよ?」



完全に殺し文句だよ、それ…



「分かったよ…付き合います」

降参した俺。

「んふふ。だから翔ちゃん好き」


…参りました。






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