君がいるから
第6章 一緒に暮らそう
「こんな身近でホモ二組とか…」
「ホモじゃねえだろ」
「端から見れば同じですよ」
おまえ…変わったな。
雅紀にかなり影響されてないか?
「ってか、一緒に飲んでて気付いてなかった?」
「本当、仲良しだなー…としか」
そりゃ、雅紀みたいに
露骨な態度は出さないからな。
「ま、そう言う事だから」
勝手に話を締め括って
残りのコーヒーを全部飲み干した。
会社に戻って
今日の書類を整理していると
「ねえ、櫻井さん」
二宮が俺のデスクに寄ってきた。
「どうした?」
「引っ越す前に、櫻井さんち行ってみたい」
何だ、そんな事か。
「いいよ。雅紀と来いよ」
皆で泊まるか?
と言うと
「本当?!」
二宮は嬉しそうにその言葉に飛び付いた。
「嘘は言わねえよ」
「やった!」
俺達の会話に
周りがびっくりしたような目を向けていた。
そうだった
会社では、あんまり二宮とフランクにはしてなかったんだっけ…
いかんいかん。
「ずいぶん仲良くなったねぇ」
会話を聞いていた部長が
楽しそうに微笑んだ。
「はは…」
俺と二宮は
苦笑いを浮かべるしか出来なかった。