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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


既に不動産の営業マンはマンションの入口で待っていた。

「すみません、お待たせしました」

「ああ…えっと、櫻井さん?」

「はい」

「あ、じゃあ早速ですが…」




案内された物件は

築浅のモダンな7階建てのマンション。

見落としていたが角部屋と言うのは魅力的だった

間取りも、図面である程度把握してたけど

申し分ない。

何より思った以上に浴室が広いのと

リビングの陽当たりはポイントが高い。

家賃も、特別高くなく

二人で払うには余裕がある。

と、なると

後は周りの環境のみ。

営業マンが言うには

比較的静かで、このマンション内でのトラブルもないらしい。

デメリットは車がない人だとバス停までの距離と

近くにはコンビニしかない、と言う事。

普段、車を使用する自分たちには問題ない。

駐車場も、各部屋2台までは契約可能。


「いいんじゃない…?」

智が呟いた。

「そうだねぇ…」


もう一度、ゆっくりと室内を見ていた時

俺のスマホに着信が入った。

「あれ、二宮だ。…なんだろ」

休日に電話なんか珍しい。

「もしもし?」


『翔ちゃーん!俺俺!雅紀でーす!』

電話の相手は

二宮でなく、雅紀だった。

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