君がいるから
第6章 一緒に暮らそう
「いってーっ!かず、暴力反対!」
口ではそう言いながらも
雅紀は嬉しそうで。
「嘘付くからでしょ」
そして二宮もまた
凄く楽しそうで…。
何だ、こいつら。
いつの間にかすっかり出来上がってんじゃねーか
しかも、雅紀なんか
「にの」から「かず」に呼び方変わってるし。
「ねぇ、智…」
「なに?」
「雅紀たち、いつの間にあんなになってんの」
あいつらに聞こえないように
コソコソ喋る。
「そう言えば、そうだねぇ」
智もこれは知らなかったのか
少し驚いたような顔を浮かべていた。
「翔ちゃん!早く鍵開けてよーっ」
玄関の前で雅紀が叫ぶ。
…また、それに対して二宮が「うるさい」と叩いている。
漫才カップルか、お前らは
俺は思わず吹き出してしまった。
「今、開けるから」
笑いを堪えながら、鍵を取り出して
玄関を解錠した。
「翔ちゃん、何笑ってんの」
不思議そうに雅紀が見つめる。
「いや…何でもない」
そうごまかして
先に中に入った。
その後ろに
智、二宮、雅紀が続いて入ってくる。
荷物を持ってるのに
最初に玄関前に来たくせに
最後に入ってくる雅紀は
…何だか不憫だ。