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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


智が雅紀から袋を受け取り

惣菜を皿に移し変えて行く。

二宮が、出したグラスをテーブルに運んで行く。

俺と雅紀は、テーブルを前にして

ちんまりと座っていた。

広くないこのアパートで

男4人が動くスペースはあまりに狭い。

特にする事もないから

二人でこっちに移動してきた。




「ねぇ翔ちゃん、どこに引っ越すの?」

ワクワクした瞳で

雅紀が俺を覗き込んできた。

「あー…それな」

聞いて驚け

「お前のよーく知ってるとこだよ」

俺はニヤリと笑った。

「えー!どこどこ?俺の知ってるとこ?」

さすがに同じマンションとは

考えが及ばないらしい。


「…お前と同じとこ」

雅紀が思いきり目を丸くする。

そして

数秒ほど無言になったと思ったら


「本当に!?ねぇっ本当?!」

「嘘言ってもしょうがねぇだろ」

「マジでーっ!!」


「…だからうるさいってば」

バシーン!とここに来て3回目のクリーンヒット

…間近で見ると、本気で痛そうだ

二宮ってこんな奴なの?


「かず、知ってる?!翔ちゃんの引っ越し先!」

それでもめげない雅紀は大したもんだ

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